3Dプリンターを使い自動車を作ることはこれまでに経験したことのないチャレンジの連続となった。3Dプリンターによる高温押出成形後に冷めながら収縮していくという特性をいかに小さくするか、彼らはこの問題を解決するために樹脂そのものの素材を研究から始めることになった。そして幾度ものチャレンジを繰り返しプラッチックに炭素繊維、つまりカーボンを配合するという新しい素材を開発するに至った。

「カーボンファイバープラスチックは熱膨張を抑えることができるのです。ですから伸縮や変形を大幅に低減させることができました。これにあわせて熱による影響がでないよう、押出成形時の温度自体も下げました」。

こうして新たな素材を手に入れこのプロジェクトは一歩前進したが、すぐにまた新たな問題に直面することに。

「これだけ大きなものになるとそれぞれの層がきちんと接着しないのです。そしてこの接着されていない層から割れてしまう。私たちはこの問題をクリアするため、パーツの成形時の温度を何度も調整し、時に加熱ランプんども使い、各層をきちんと接着するという技術を産み出しました。これと合わせ、継続的に取り組んでいるのが素材の進化です。特に強度に関してはかなり力を入れて研究を進めています。3Dプリンターカーにとって最適な素材を見つけたいと思っています」3Dプリンターによるクルマ作りは多くの利点を持っている。特にデザイン面では様々なメリットがあるという。

「ほとんどの自動車メーカーは金型を使ってボディを成形しています。デザインを変更するとなると新たな金型を作らなくてはならず、これには時間もコストもかかります。しかし3Dプリンターであれば、いつでも変更が可能で、また元のカタチを作ることも可能。ほぼ無制限にカスタマイズができますし、そのカスタマイズに購入者が直接関与することも可能になるのです。あわせて製造に関わる部品点数も大幅に減らすことができますし、部品点数が減れば問題も起きにくくなり、結果として信頼性も向上していくはずです」

全く新しいアプローチでクルマ作りそのものを変えようとしているローカール・モータース。この3Dプリンターカーの技術をこの先どのように進化をさせていくのだろう?

「最終的には配線や金属部品と一緒にプリントしていく技術にまで進化をさせていきたいです。ワンショットで駆動可能なクルマをつくるところまでいきたいですね。これには何年も、何十年もかかるかもしれませんがいずれ可能になると信じています」

小さな会社による全く新しいクルマ作りへの挑戦が、未来のクルマ作りを大きく変えるかもしれない。彼らの作り出す3Dプリンターカーの進化に注目をしていきたい。

・Local Motors : 3D Printed Car(Ep.1/前編)

LOCAL MOTORS:https://localmotors.com/

text=KURUMAG. photo=Yujiro Otsuki, Local Motors