50年以上に渡りハリウッド映画やアメリカのテレビ番組に登場するクルマのデザインやその製作に関わってきたジェイ・オーバーグ。1969年から放送されたピンクパンサーのクルマをはじめ、1980年代に上映&放映されたロボコップのパトカーやナイトライダーK.I.T.T.のスーパーパシュートモード仕様、バットモービルやマッドマックスに登場するクルマたちなど、これまでに手がけたクルマは500台以上にのぼる。きっと誰もが一度は彼が手がけたクルマを目にした事があるはずだ。

「私が最初に手がけたクルマはバスタブのクルマだったんだよ。それがテレビ番組に取り上げられたことで注目を集め、次々と奇想天外なクルマを作るようになったんだ。するとその情報を聞きつけドイツから連絡があり、リムジンを作ることになった。フェラーリF40のリムジン、ランボルギーニのリムジン、クルマを横に2台並べたワイドリムジンなど1年間で6台ものリムジンを作った。リムジンのカスタムといったら私という具合にね、これらは私の作品を代表するクルマたちになっていったんだ」。

彼のオフィスには様々なスケッチや写真が飾られている。そのどれもが奇想天外と言えるもの。グランドピアノも2段ベッドも彼の手にかかれば、すぐに個性際立つホッドロッドスタイルのクルマに生まれ変わってしまう。

「アイディアは次から次へと湧いてくるんだ。今もスポンジ・ボブのクルマを作っているけど、他にも作ってみたいクルマのアイディアが次々浮かんできてるんだ。この50年でクルマはものすごく進化をしてきたけど、まだ自由に空を飛べるクルマは現実的なものになっていないよね。だから空飛ぶクルマには夢がある。みんなで空のドライブが楽しめるリムジンなんか作ってみたいね。大きな羽が飛び出して、まるで象の耳のようにパタパタを動いたら楽しいだろうね。そうだ、象のように鼻先が長ーく伸びていたらかわいいだろうね!」

半世紀に渡り面白いクルマを作り続けてきたジェイ、やはり頭の中に描く未来のクルマも奇想天外なものだった。ラスベガスには彼の作品を中心に映画やテレビで活躍したクルマを集めたミュージアム「ジェイ・オーバーグ・ハリウッドカー」もオープン。彼のオフィスも併設されているのでミュージアムに足を運べば直接ジェイの話を聞くこともできるはずだ。

Jay Ohrberg’s Hollywood Cars: http://www.jayohrberg.com/

text=KURUMAG.
photo=Jay Ohrberg