明治神宮外苑・聖徳記念絵画館前にて「2017 トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」が開催された。今年で11回目となるこのイベントは、貴重なクラシックカーとそのオーナーが全国各地より一同に集い、語らい、パレードランを楽しむというもの。あわせてメイン会場となる絵画館前には各オーナーの愛車に加え、愛知県にあるトヨタ博物館より運びこまれた自動車史に名を刻む名車たちも特別展示される。

ガソリン、電気、水素と自動車の動力源は多様化し、それとあわせて自動運転やコネクテッドカー、AIなど自動車をとりまく技術や環境はいま100年に一度の大変革期を迎えていると言われている。「いまこそ自動車の歩んできた歴史を振り返り、未来を想像してほしい」というのがこのイベントのディレクターを務めるトヨタ博物館の布垣館長の想い。その想いを具現化するために今年のイベントには多種多様な自動車が登場した100年以上前に製造された貴重な車両を含む、歴史的に大きな意味を持つモデルが会場に運び込まれた。

なかでも注目を集めたのはガソリン、電気、蒸気という動力源を持つ3つのモデルだ。世界初のガソリン車として知られるベンツパテントモトールヴァーゲンは1886年に登場したモデル(会場に持ち込まれたのはレプリカ)で、時速15kmというその走りは自転車よりも遅いと酷評されたそうだが、この1台こそ現在のガソリンエンジン車の原点となったものである。その隣に並ぶのは1902年にアメリカで製造されたベイカーエレクトリック。変速不要で排気ガスもなく、簡単に充電できるとあって電気自動車は当時の女性に大変人気があったのだという。そしてもう一台はロコモービルスチームカーだ。このモデルは1899年にアメリカで製造されたものだが、1900年代初頭のアメリカでは自動車の約半数が蒸気自動車だったといい、1901年から日本でも販売されていたという。いまから100年以上前の街中を並んで走っていたであろうベイカーエレクトリックとロコモービルスチームカーが21世紀を迎えた現代の東京で並ぶ姿はとても感慨深いものであった。

このほか薪ガス発生装置を搭載したトヨタBM型トラック、ガスタービンを搭載したトヨタスポーツ800ガスタービンハイブリッド、世界初の量産ハイブリッドカーとなった初代プリウス、そして究極のエコカーとして世界に先駆け量産販売を開始した水素自動車のトヨタMIRAIといったモデルも会場に展示された。

今年のクラシックカー・フェスティバルは、クラシックカーを愛するオーナーたちが集うイベントにとどまらず、今後自動車とそれを使い・楽しむ人々がどのように関わりを持ち、どのような文化をつくりあげていくのか、展示車両を眺めているだけで想像を掻き立てられ、クラシックカーに触れながらも自動車の未来にワクワクする特別なイベントとなった。

text/photo=KURUMAG.

トヨタ博物館: http://www.toyota.co.jp/Museum/