スバルは2015年に中期経営ヴィジョン「際立とう2020」を発表し、安心と愉しさというスバルならではの価値を高め、ファンを拡大していくというメッセージを発信。そこで掲げられたいくつかの取り組みのなかで、注目を集めているのがデザインの領域だ。スバルは企業としてデザインで強くなるという強い意思を示したのだ。

「スバルのユーザーはアクティブな方が多く、ダイナミックなライフスタイルを楽しんでいます。また私たちはAWDやアイサイトといった安全技術にも力を入れており、そういったアクティブなイメージと先進の技術やこだわりが高密度に凝縮されているソリッドな塊感、このふたつを融合した“ダイナミック&ソリッド”というテーマでデザインを行っています」と言うのはスバルデザイン部の河内敦さんだ。

スバルはこのデザインテーマを具現化するため国内外モーターショーにコンセプトカーVIZIVシリーズを出展。さらに各自動車メーカーが参加しているビデオゲーム“グランツーリスモ”のビジョン・グランツーリスモプロジェクトにも参画し、オリジナルコンセプトカーVIZIV GTを公開した。

「たっぷりとした造形表現の中に、力強く削ぎ落とした硬質感ある面表現が特徴です。スバルが産み、育てあげてきたヘキサゴングリルや初代WRXなどで採用し一目でスバルらしさを伝える丸形フォグなど、ブランドのアイデンティテイを未来へと継承することにもこだわっています」と、河内さんはコンセプトカー VIZIVのエクステリアデザインについても解説してくれた。

インテリアを担当する宮下大輔さんも「最近はリビング感覚のデザインも増えてきていますが、スバルはよく骨が通っているという表現をするのですが、骨格や構造がわかるクルマらしいデザインをするよう心がけています」と語る。

エクステリアもインテリアも、ともに共通するのが“スバルらしさ”という言葉だ。あえてスバルらしさを語る理由について聞いてみると、こんな話をしてくれた。

「かつて自動車のデザインには流行・トレンドがありました。大手メーカーが丸い形をつくるとみんな丸くなり、四角い形を作ると四角くなりました。しかし近年はそれが変わってきました。それぞれのブランドが自分たちのデザインテイストを突き詰める方向になっているんです。そして世界各国の自動車メーカーが自分たちのカタチを持ち始めています。いま、自動車は性能や価格で買うのではなく、そのブランド価値で購入を決める人が増えています。ですから私たちはブランドを理解し、ブランドを磨き、そのブランドを伝えるデザインをすることが求められているのです。未来のカーデザインは、そういった自動車メーカー各車が持つブランドの特徴がより色濃く出てくるようになると思いますよ」。

※この記事はKURUMAG.7号(2016年4月発行)に掲載されたものを再編集したものです

text=KURUMAG. photo=Shigeyuki Ishikawa, Subaru